僕らはみんな、傷だらけなのだ。「箱入り息子の恋」
人はいつも、批評し、批評されあっている。それは僕も、これを読んでいる人も例外ではなく、見た目や、その人の能力、全てのもので、知らぬ間に優劣をつけてしまっているものである。
この映画の主人公、天雫 健太郎(あまのしずく けんたろう)は、市役所に勤める地味で根暗な35歳彼女歴なしの童貞。極度のあがり症で人と仲良くなろうとせず、お昼休みも実家で食べ、休日には家にこもってゲーム三昧の日々を過ごす、友達もいない冴えない男である。
こういう人たまにいるよね。みんなから少しバカにされるタイプのね。
この冴えない健太郎を結婚させるべく、健太郎の両親がこっそりお見合い相手を見つける親同士の会に参加するのです。言い回しが変ですが、婚活の親バージョン?というべきでしょうか?
そこでこの映画のヒロイン、今井奈穂子(いまい なおこ)の両親と健太郎の両親が出会います。
しかし、奈穂子の父に健太郎のプロフィールを見せると、冷たい態度を取られてしまいます。
奈穂子さん。可愛いですね。役者は夏帆さんです。
右が奈穂子のお父さんです。社長さんで、奈穂子の一家はお金持ちなんです。
奈穂子のお父さんがなぜ冷たい態度をとったか、それは実は奈穂子は目が見えないのです。
なので奈穂子の父は奈穂子の面倒を完璧にみれる、なんでも完璧にこなせる人をお見合いの相手に欲しかったのです。
会が終わって数日後、雨が降っていた午後、奈穂子は母と散歩の最中、雨が降って来てしまいます。母は車を取ってくるからと言い、目の見えない奈穂子を一人置いて行きます。
そこに仕事帰りの健太郎が通りかかり、濡れている奈穂子に傘を渡すのです。
ここから全てが始まります。
傘に書いてあった名前と、お見合いの会でのプロフィールの名前が一致し、奈穂子の母は健太郎に興味を持ちます。そして本格的にお見合いをすることになります。
こんな場面地獄だよね。親の前とか恥ずかしいしね。
このお見合いで、健太郎は奈穂子の父に否定され続けます。それはもうボロボロに言われます。お見合いが終わった後発狂する健太郎。
しかし、奈穂子は健太郎に少し好意を抱いていました。
2人は密かにデートを重ねます。健太郎の行きつけの吉野家に行ったり、公園でおしゃべりしたり。
いやもうほんと健太郎の不器用さがたまらないんですよ!
共感もできて、すごくニヤニヤホクホクしてしまいます。
そんなある日、2人はとうとう奈穂子の父に見つかってしまいます!奈穂子の父に胸倉を掴まれる健太郎!しかし奈穂子の母と奈穂子が止めに入ります!その瞬間、菜穂子めがけて車が!!「菜穂子さん!!」咄嗟に奈穂子を突き飛ばし、健太郎は車にひかれて重傷を負ってしまいます。
メイキングの写真しかなかった…ショック…。
その事件をきっかけに、奈穂子も奈穂子の両親とも疎遠になってしまい、いつもの冴えない男に戻ってしまう健太郎。
しかし、いつもの公園で昼ご飯を食べていると、なんと1人で散歩をしている奈穂子を発見!慌てて跡をつけると、一人で思い出の吉野家に入っていく奈穂子!不器用に牛丼を食べます。健太郎も見つからないように吉野家に入り注文。奈穂子の様子を見ていると、牛丼を食べ、泣き出す奈穂子。釣られて健太郎も泣いてしまいます。しかし顔を上げると奈穂子はもういませんでした。
会社に戻り、仕事をする健太郎ですが、突然菜穂子への思いが爆発してしまいます。
13年間一度も遅刻欠席早退したことなかった会社を早退し、菜穂子の家へ走っていく健太郎!
そして奈穂子の部屋へ忍び込みます。とても幸せに包まれた二人。愛を確かめ合うのです。
しかしまたしても奈穂子の父と母に見つかってしまい、なんやかんやで奈穂子の父にボコボコにされた健太郎は、奈穂子の家のベランダから転落してしまいます!
またしても入院の健太郎。しかし前のように、奈穂子とは疎遠にはならず、 二人は続いていくと言わんばかりのエンディングで幕を閉じるのです。
器用な人もいれば、不器用な人もいる。今の世の中、学校や会社の面接は紙切れ一枚と学歴で、その人を判断してしまう。
しかし、人は見た目では判断できない、紙っぺら一枚では判断できないものなのだ。
僕は常に、優しい人になりたいと、思いやりのある人になりたいと思えた作品だった。
そして、素敵な恋がしたいなと、思えた作品だった。
興味がある人は是非見てみてください!
僕は5本の指に入るくらい大好きな映画でした!
それじゃあまた次回!さよなら!!